左手のピアノのための

Canon LIDE50

2月11日から三日間に渡り「すみだトリフォニーホール」で開催されたシベリウス・フェステイバル。
最終日の13日に行ってきた。
聴きものは、初公開の「タピオラ幻景…左手のピアノのため」
作曲・吉松隆、ピアノ独奏・館野泉(日本シベリウス協会会長)

2002年に脳溢血で右手が不自由になった館野氏に、吉松氏が献呈した「左手のピアノのための小品」
光のヴィネット、森のジーグ、風のトッカータなど5つの情景で全体を構成する。
演奏は片手ではあるが、陰影感を意識した印象深いピアノ曲に仕上がっていた。

左手のピアノ曲というと、
戦争で片手を失ったP・ウィットゲンシュタインにラベルが贈った「左手のためのピアノ協奏曲」が有名だ。
館野氏によると、左手のためのピアノ曲は小品が多いが
分かっているものでも80曲はあるという。
楽譜が存在するのは30曲程度らしいが、それでも驚き。
ひとつのジャンルとして定着するかしら…
と、思ってしまう。