広告の迷走

Canon LiDE 500F

先日、セミナーで梶祐輔氏(日本デザインセンター最高顧問)の講演を聴いた。
梶氏はコピーライターとして1960年代からアサヒビールトヨタ自動車など各社の広告作りを担当。民営化したJRや新しいトヨタのマークデザインを手がけた業界の重鎮だ。
氏のお話で興味深かったのは、日本特有ともいえる15秒の短いTV-CF(スポットCM)について。
以前はスポット的に流されるはずだった15秒CMは、いつしかTV-CFそのものを表すようになる。
しかし、15秒という短い時間では満足な商品の説明もできず、ただイメージを強調し、消費者を刺激するだけの広告になっていく。
それではと、注目度を上げるためタレントの知名度に頼るようになった。
商品イメージを固定させるため、大量に流されるTV-CFは、可処分所得の多い熟年層の反感を買うことにもなりかねない。
低価格の商品は中国や南アジアに奪われ、ブランド性豊かな高級品市場は相変わらず欧米のもの。
袋小路に入った日本の企業・広告が目指すべきは、何なのか…