アレキサンダー

Canon LiDE 500F

早くも今年の正月映画「アレキサンダー」がDVD化された。
監督・オリヴァー・ストーン、主演・コリン・ファレル

地球が球体であることも認識されていなかった古代。
アレキサンダーは東西の文明を融合させ、ヘレニズムを生み出した。
まさに伝説の人物だが、その実像は名前ほどには知られていない。

謎の多いこの英雄の逸話で、最も心ひかれるのが「ゴルディオンの結び目」についての話。
プルターク英雄伝によると
紀元前334年、アレキサンダーは、ペルシア帝国を倒すため東方へと遠征を始めた。
序盤の勝利を得て、小アジアの都市ゴルディオンに立ち寄ると、街中央の神殿に、フリギア王が奉納した荷車が納められていた。
荷車は杭に固く結び付けられており、結び目は複雑だ。
神官は「戒めを解いた者は、全アジアを制覇する」と語るが、誰も結び目をほどける者はいなかった。
これを聞いたアレキサンダーは一刀の下に結び目を断ち切り、その場の群衆に宣言した。
「我こそが全アジアを治める王となるであろう!」
欧米では、この故事を『ゴルディアン・ノット(ゴルディアンの結び目)』と呼び、「常識を超越した手段で、物事を解決する」といった意味で使用する。(To Cut the Gordian knot)
現在では後生の作話とされるが、多くの人が共感するのは、この英雄が迷信や偏見に惑わされず、自身の力を信じて道を切り開いた近代人の側面を持っていたからだと思う。