ベルギー近代絵画
秋晴れの日曜日
GRデジタルを散歩の供に府中市美術館へ
23日は、美術館開館5周年にあたり観覧は無料。
展示中の「ベルギー近代の美」を鑑賞する。
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しかし、ベルギーという国。
独立してから175年だが、フランスやドイツの影響を受けながらも独自性を失わない「したたかさ」がある。
決してチョコレートやビール、名探偵ポアロだけじゃないのです。
例えば、絵画好きなら誰でも一度は通るシュールレアリスム。
デルヴォーやマグリットの謎めいた啓示もベルギーという地域性が生んだ所産か…
19世紀末、「薔薇十字団」のジョゼフ・ペラダンを中心に運動を続けたロップスやクノップフなどのベルギー象徴主義も、海の向こうの英国ラファエル前派あたりと関連性が見いだせて何となく好ましい。(笑)
今回展示する一連の作品は、ドイツ人コレクター、ハインリッヒ・サイモン氏所蔵のもの。
アンソール、スピリアールト、アレシンスキーというお馴染みの画家の作品が並ぶ。
自分にとっての掘り出し物は、「都合の良い結婚/フロリス・イェルペス」かな。
イェルペス(1889-1965)は、後期印象派の作家として出発。
その後、シャガール、カンペンドンク等に強い影響を受け、構成的な表現主義を打ちだしていく。
展示作品の「都合の良い結婚」は1927年の作品で、キュビズム、表現主義、シュールレアリスムが渾然一体となった面白さがある。
消された花嫁の顔に代わって、波とボートが描かれたミステリアスな構成は、色調もクールで、まさに近代絵画の「顔」をしている。(苦笑)