残念賞

Canon LiDE 500F

1980年代、英国から世界に向けてデビューした二人の女性アーティスト(84年シャーデー、88年エンヤ−正確にはエニヤ)は、デビューアルバム発表当初から、唯一無二の世界を持っていた。
一人はアーバンブルースであり、もう一人は教会音楽にも通ずるゴスペルフォークだ。
4年前、シャーデーが実に8年ぶりに発表した「ラヴァーズロック」は、予想以上の出来で驚いたものだ。
そして今回、4年ぶりに新作「アマランタイン」を発表したエンヤだが、一聴した感じ「出来はもう一つ…」というところか…
もとより究極のワンパターンゆえ、基本となるメロディと装飾が勝負だが、初期のアルバムで聴かれた「これぞ!」というエンヤ調メロディが不発だ。
芭蕉の句「山路来て、なにやらゆかしすみれ草」に着想した「菫草(すみれぐさ)」、アルバム中では最も親しみやすい「ロング・ロング・ジャーニー」、現パナソニックのTV-CF曲「アマランタイン」など、それなりの曲はあるが、正直「ウ〜ン、この程度か…」という感じは否めない。