ジャクリーヌ・デュ・プレ

Canon LiDE 500F

師走の街は、クリスマスを前にして浮き立っているようだ。
CDショップのクラシックコーナーには新着ディスクが平積みされている。
とりわけ注目したいのは、ご紹介のディスクだ。
Testament:SBT1388
エルガー:チェロ協奏曲ホ短調 作品85
J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲第1番 BWV1007
J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲第2番 BWV1008
演奏:ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)、BBC交響楽団、ジョン・バルビローリ(指揮)
1987年、多発性硬化症で42歳の生涯を閉じた不世出のチェロ奏者ジャクリーヌ・デュ・プレの初出ライヴ盤で1967年1月3日、プラハでの公演を収録したものだ。
家にはもう一つ1963年、ロンドンのロイヤルアルバートホールでマルコム・サージェントと演奏したライヴがある。
どちらも若々しさに溢れた素晴らしい演奏だ。
このチェロ協奏曲は、エルガー美学の精髄とも言うべき作品で、1919年6月に完成、同年10月フェリックス・サモンドのチェロ、エルガー自身の指揮で初演された。
デユ・プレがデビューする30年前、やはりチェロの天才少女と呼ばれたベアトリス・ハリソン(1892〜1965)が初録音している。
クラシック好きでない方も一度聴けば、その荘厳な美しさに打たれる作品です。
年末の何かと慌ただしい中、音楽に憩うひとときを大切にしたい。