生協の白石さん

Canon LiDE 500F

昨年末と同様、少女の殺害事件がニュースのトップを占めている。
嫌な時代だ。
この国は、一体いつから、こうした凶悪事件を「またか…」と聞くようになったのだろう。
起きてしまった犯罪を悔やんでも仕方ないが、これからの社会では「心のケア」が、より重要になるのは明らかだ。
今、少子高齢化時代を迎え、消費者の心のあり方に配慮した商売が注目されている。
生協内に張り出す「ひとことカード」を巡るやりとりをつづったベストセラー「生協の白石さん」(講談社)もそんな一例だろう。
そう言えば、昔ながらの「リヤカー売りの豆腐」も人気だという。
ゆっくりと町内を流すようにリヤカーを引き回すことで、単身者や一人暮らしの老人も豆腐を買いに出てくるという。
挨拶と世間話は欠かさない。
たとえそれが短い世間話にせよ、客にとっては憩いの時間なのだ。
言葉の通う関係に居心地の良さを求める。
こころの時代なのだろう。