マニュアルフォーカスの誘惑

FinePix F11

デジタルカメラが本格的に一般市場に登場してから10年あまり…
今やフィルムカメラは絶滅寸前の状況である。
ニコンはフラッグシップのF6と入門機FM10を除き、フィルムカメラから手を引くと発表した。
残ったレンズ群もいつまであるか分からない。
フィルムカメラでは商売が成り立たない状態なのだから当然の処置なのだろう。
富士フイルムは5000人のリストラを発表。
コニカミノルタなどは写真事業そのものから撤退してしまった。
デジカメを操作していて寂しいのは、やはりその操作感だ。
イカニコンF3、キャノンF−1などの銘機には独特の品格があった。
今のカメラに当時のフィーリングを再現する手だてはないのだろうか。
オートフォーカス以外のレンズを知らない人が増えたのも問題かも知れない。
若いユーザーがマニュアルフォーカスのカメラを操作すると、決まってヘリコイドの感触に「感激した」と答える。
デジカメ消費も一回りしただけにメーカーはここで、従来とは違った新たな仕掛けを打ち出すことが必要だ。