2007-05-30 野球のある風景 この短編集は、野球を日常の風景としてとらえ、少年期から人生の晩年まで、市井のさまざまな人生を描いている。 伊集院静は柔らかく懐の深い文章を書く作家だ。 例えて言えば、長距離ヒッター、ホームランバッターのような木訥さがある。 ある意味、イチローのような繊細さが持ち味の宮本輝とは対照的。 無論、両者とも素晴らしい著作を山のように生み出している。 「受け月/伊集院静」講談社文庫