オシムの言葉

Canon LiDE500F

サッカーネタが続くが、時節柄お許し頂きたい。
本書は、東欧のブラジルと呼ばれた全盛期ユーゴスラビアの代表監督、イビチャ・オシムに焦点をあてた半生記だ。
世界を見渡せば、サッカーを上手く教えるコーチは、たくさんいるだろう。
しかし、言葉の中に人生の真理を含ませ、聞く者の胸に深くしみ入る話のできる人が何人いるだろうか。
人は行動と言葉に心を動かす生き物だ。
万年Bクラスのジェフ市原を就任1年目から立て直したオシム監督は、サッカーのプロであり、同時に人心掌握のプロでもある。
「重要なのは、ミスを叱っても使い続けることだ」
「君たちはプロだ。休むのは引退してからで十分だ」
数学者の道をあきらめ、サッカーに人生を賭けた男ならではの含蓄ある言葉が続く。

オシムの言葉
木村元彦
集英社インターナショナル発行 1600円