風の十二方位

Canon LiDE500F

学校はもう夏休み。
映画館では、宮崎吾朗監督のアニメ「ゲド戦記」が公開中だ。
原作は、ル・グィンのライフワーク的大作だが、宮崎アニメの「ゲド戦記」は初期の3作から脚本を起こしているようだ。
70年代以降の米国SFというと、もろに自身の世代とかぶる。
この「ゲド戦記」やF・ハーバートの「デューン」は、規模からしても米国人にしか作り得ない作品だと思う。
ル・グィンをこれから読みたい、でも連作長編は荷が重いと言う方には短編集「風の十二方位」(ハヤカワ文庫)がオススメ。
初期の短編をまとめたものだが、十分この作家の魅力が味わえるはずだ。
私自身にとってのSF小説は、空気のように身近で無くてはならない存在。
12歳で「何かが道をやってくる」(R・ブラッドベリ)、15歳で「幼年期の終わり」(A・C・クラーク)、高校時代に「ファウンデーション」(A・アシモフ)、「沈んだ世界」(J・G・バラード)を読んだことは、まさに最良の読書歴だと自負している。