AUTO UNION BERGRENNER(1936/37)

DiMAGE A2

いよいよF1シーズンが開幕した。
M・シューマッハが引退し、主要ドライバーの移籍が相次いだシーズンオフ。
新たなメインストリームの先頭は誰が走るのか、興味は尽きない。
写真はCMCの1/18ミニチュアAUTO UNION BERGRENNERだ。(ダブルタイヤ・ヒルクライマー)
1930年代を代表する怪物レーサーであり、ポルシェ設計、ミッドシップレイアウト、V16エンジンなど歴史上最もミステリアスな成り立ちのレーシングカーでもある。

GMのオペル買収、ドイツフォードの開設など、第一次大戦後のドイツ自動車工業界は米国資本の進出にさらされる。
危機を感じたドイツ政府は民族資本によるドイツ系自動車企業の合同を支援、DKW、アウディ、ヴァンダラー、ホルヒの4社は「アウトユニオン」を結成する。
新興企業となった同社は、存在感を誇示するため自動車レースへの参加を計画、フェルディナンド・ポルシェに設計を依頼する。
ポルシェの天才は、現F1マシンの原型と言えるミッドシップ・フォーミュラ「Pワーゲン」を誕生させた。
現在でも仰天ものの45度V型16気筒4.3リッターエンジンを搭載し、34年に250km/hの世界最高記録を含む7つの世界新記録を樹立。
36年にはベルント・ローゼマイヤーが、ヨーロッパ選手権タイトルを獲得し、37年には公道で400Km/hを突破した。
その後、第二次大戦後の混乱の中で所在不明となっていたが、英国グッドウッド・レーシングフェスティバルで実走し、ファンを感激させた。