SACD vs DVD-Audio

Canon LiDE500F

DSDSACDと24ビット・96KHzのDVD-Audio戦争は、決着がついたのだろうか?
カタログを見るとDVD-Audioは約400タイトルがアップされているが、輸入盤は見かけるものの国内盤を目にする機会はあまりない。
対するSACD陣営は既に2000タイトル以上をリリース、商業ベースではSONYPhilipsが提唱するSACDが一歩リードしている。
とは言え、旧盤のリマスターばかりでは互いに本領を発揮できない。
決め手となる新譜リリースが今後の行方を左右するだろう。
4月に発売されたD・ジンマン&チューリヒ・トーンハレのマーラー交響曲第2番はハイブリッド仕様のSACDながら、DSDの実力をいかんなく発揮した佳作だ。
第1楽章冒頭、コントラバスの低い唸りを聴けば、ただならぬ気配を察することができる。
第2ヴァイオリンを重視したマーラーのスコアを考慮し、ヴァイオリンを左右に振り分け(舞台左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、コントラバス)、第4楽章「原光」も、金管木管をオーケストラの反対側に置き、ハープも左右の舞台端に配置した。
ジンマンは今回のマーラー・チクルス録音にあたって、制作順通りに録音を進める模様で完成は2010年の予定。
このコンビによるマーラーは、現在進行中のシリーズ録音の中で最も注目できるものだと思う。


マーラー交響曲第2番「復活」(マーラー協会版決定稿)/デイヴィッド・ジンマンチューリヒ・トーンハレ管弦楽団
ユリアーネ・バンゼ(S)、アンナ・ラーション(A)、スイス室内合唱団
RCA:82876871572(SACD&CDハイブリッド仕様)