The Annunciation

Canon LiDE500F

日・伊の文化・産業交流を進める「イタリアの春2007」
その目玉となる企画が、レオナルド・ダ・ヴィンチ初期の代表作「受胎告知」を展示するレオナルド・ダ・ヴィンチ展」(東京国立博物館)だ。

縦98cm×横217cmという大きさは、レオナルドが残した絵画としては最大級。
フレスコ画の「最後の晩餐」の次に大きく、タブローとしては最大だ。
製作は1473年。
ヴェロッキオの「キリストの洗礼」と同時期なため、晩年の「モナ・リザ」や「洗礼者ヨハネ」に比べ、明らかに線が硬く清潔感がある。
ウフィツィ美術館のアントニオ・ナターリ氏は、レオナルドが「キリストの洗礼」に描いた天使こそ大天使ミカエルだという。
「受胎告知」は完成後、フィレンツェ近郊のモンテ・オリヴェートにあり、17世紀末までサン・バルトロメオ修道院の食堂を飾った。
第二次大戦の混乱期にパリ、ミラノで展示されたことはあるが、正真正銘、ウフィツィの、いやイタリアの至宝である。
ツタンカーメン黄金のマスク」「モナ・リザ」も使った本館特別5室の展示は、この作品の価値相当と言って良いだろう。
ルネサンス期の作品としては保存状態も良く、修復によって変色や表面の亀裂も押さえられた。
作品の主題はルカ福音書の「受胎告知」


天使ガブリエルは、ナザレというガリヤラの町に使わされた。
その乙女の名はマリア。
「おめでとう、主はあなたと共におられる」
この言葉にマリアはとまどった。
天使は続けた「マリアよ、恐れることはない。あなたは身ごもって男の子を産む。その子にイエスと名付けなさい」
マリアは言った「どうしてそのようなことがあり得ましょう。わたしは男の人を知りませんのに」
天使は答えた「聖霊があなたに下り、貴き方の力があなたを包むでしょう。生まれる子は神の子と呼ばれる」


平成館の第2展示は、フィレンツェ科学史博物館が監修した「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像展」
手稿類をもとに制作した模型や映像で、レオナルドの思索を探る企画展だ。
一時は3時間待ちというニュースも流れたが、平日や金曜夕方ならば待ち時間ゼロで鑑賞できるはず。
美術ファンのみならず、話題好きな方にもオススメできる展示会です。