THE SEPARATION

Canon LiDE500F

クリストファー・プリーストは、イアン・ワトスンと同世代で、J・G・バラード、B・オールディス以降の英国SFを代表する作家。


私がプリーストを読んだのは、今は亡きサンリオ文庫の「伝授者」が最初だ。
確か70年代のはずなので、かれこれ30年前の話…
いやぁ月日の流れるのは速い…


「伝授者」以降、「逆転世界」、「ドリームマシン」、「魔法」と何作かは邦訳されてきたが、ここまで人気が出るとは思わなかった。
きっかけは95年に出版した「奇術師」だろう。
映画化(題名プレステージ)されて、SFファンだけでなく一般にも名前を知られるようになった。
本書はそんなプリーストの最新作。
著者自身もお気に入りの作品だという。
確かに英国SF協会賞、アーサー・C・クラーク賞受賞の傑作でもある。


(あらすじ)
1999年、ノンフィクション作家スチュワート・グラットンのもとに第二次大戦中に活躍した英国空軍大尉J・L・ソウヤーの回顧録が届く。
送り主は大尉の娘アンジェラで、グラットンの探している人物こそ自分の父親だと言う…

このまま読み進めば、プリーストの術中にはまること請け合いです。(笑)


「双生児」クリストファー・プリースト著 古沢嘉通

早川書房発行 2500円